ある程度の収入があれば、法人組織で仕事をしたほうが税負担は少なくなります。
ただし、それ以上に事務作業などが増えて面倒なことにもなります。
お金のやりとり
法人になって一番手間がかかるのが、お金の管理です。
このお金の出どころがものすごく大事になってきます。
個人事業の場合、自分の生活費から出そうが、事業用のお金を出そうが問題になりません。
法人の場合には、会社のお金から出していればいいのですが、自分のお金から出せば会社の経費を立替えていることになります。
つまり、自分の会社であろうと、個人のお金と会社のお金は厳密に分ける必要があります。会社のお金=自分のお金ではないのです。
会社からお金をもらう方法は、給料・配当・借入金の返済くらいしかありません。個人に比べれば、自由度はありません。
特に売上金には十分注意しましょう。
売上計上したものの、自分のポケットマネーに取り込んでしまえば、それは賞与扱いになります。
もちろん、社長への賞与扱いは経費にはなりません。それでいて、社長への給与課税はあります。
つまり、二重に税金が取られます(正式には源泉所得税の不納付加算税も取られるので、三重に取られます)。
お金の扱いはかなり面倒になります。
申告・納税
法人の場合であっても、1年おきの申告と納税があります。
これが個人に比べると圧倒的に面倒です。
・申告書の枚数が多い
・決算書の作成が大変(会計ソフト必須、損益のみの計算はNG)
・勘定科目内訳明細書と概況書という書類が増える
・地方税の申告も必要
・国税庁から無料の申告書作成ソフトがあるわけではない
と、かなりの手間がかかるようになります。
また、納税に関しても口座引落はありません。
すべて、自分で納付書を用意して納税しに行く必要があります(ネットでの納税は可能ですが)。
法人になると、税務署からなにか手厚くサポートしてくれるようなことはなにもないのです。
税理士に依頼するにしても、やはり法人決算のほうがコストはかかります。やっぱり、個人に比べて作業量が圧倒的に違いますので。
事業をやめる
事業をやめるときにも法人は手間がかかります。
個人事業の場合、廃業届を出して、最後の確定申告をすれば終わりです。しいて言えば、最後の確定申告にちょっとした特殊論点があるくらいです。
法人の場合には違います。
会社を閉めると決める(解散)→申告(+解散登記)→会社の財産をすべてなくす(清算)→申告(+清算登記)
と、かなりの手間がかかります(紙1枚提出するだけで終わることはできません)。
なにもやっていない状態だからとほっておくこともできません。申告と納税は必要です、申告がないと税務署から連絡が来ます。会社をほっておいても、均等割の7万円からは逃れることはできません。
会社の設立も大変だったと思うのですが、会社を閉めるときも同様の苦労がかかります。場合によっては、それとは比べ物にならないくらい大変になることもあります。
手間という面では、法人は圧倒的に大変です。
<昨日の出来事>
午前はブログ、庭の芝刈りと肥料まき。
午後は昨日に続き、読書とランニング7km。
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