不動産の売却の税金は基本的には単独計算のため、それ単体の税額を計算することができます。
ただし、これは絶対というわけではなく、他の収入と合算して影響するケースもあります。

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(基本)単独計算
不動産の税金は、
売れた金額 − その不動産を買った金額 − 売ったときにかかった経費
を引いて、この金額が
プラスであれば、その金額に20.315%(5年以内の場合39.63%)、住宅の特例が使えると14.21%の税金をかけて計算します。
マイナスの場合には、基本的には税額は0となるだけで、他の収入と相殺して税負担を少なくすることはできません(例外はありますが)。
原則通り行けば、ここで計算した税額通りになるのですが、他の収入や控除の兼ね合いで、税額が変わるケースがあります。
税額が減るケース
税額が減るケースとしては、収入がない又は少ない方が不動産を売却するケースです。
本来、所得控除は給料や事業などの収入から優先的に引くことになっています。ところが、収入が少なかったり、そもそもない場合には、基礎控除や保険料の控除といったものはすべて切り捨てとなります。
ところが、通常の給料や年金、又は収入がないために普段切り捨てとなっている、控除を不動産の売却での売却益が出ていれば、これとぶつけて納税額を少なくすることができます。
基礎控除(58万円)を使うだけでも、11万円ほどの納税額を少なくすることができます(20.315%の場合)。
社会保険料控除や生命保険料控除、医療費控除といったものも有効になりますので、書類はきちんと集めておきましょう。
税額が増えるケース
残念ながら、納税額が単独計算よりも増えてしまうケースもあります。
年末調整などで、所得制限のある控除を受けたものの、不動産の売却の申告をして、所得制限に引っかかってしまうことがあるからです。
例えば、給与収入が800万円での場合、通常であれば年末調整で基礎控除、配偶者控除を受けることができます。
ところがこの2つは、納税者本人の所得制限があります。
ここで、不動産の譲渡益が2,500万円あると、基礎控除、配偶者控除ともに受けることができなくなってしまい、単独計算したときより税額が増えてしまいます。
本来は、年末調整の時点で申告して、受けられなくなるであろう控除を受けないでおくのが正しいやり方なのですが、そこまでできる方は少ないかと思います。
ちなみに、これは住宅の3,000万円控除を受けて不動産売却の税金が0になった場合も同様です。
所得制限のかかる控除のほとんどは特例の3,000万円控除を受ける前の数字で判定します。
納税が0だと思ったら、そのような落とし穴がある場合がありますので、気をつけておきましょう。
<昨日の出来事>
午前中はお客様との打ち合わせ。
午後は友人と食事、帰宅後ちょっとだけ仕事。
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