故人様がお亡くなりになった場合、確定申告をしなければならなかったり、義務はないものの確定申告したほうが有利になるケースがあります。
それに加えて相続税の申告が必要な場合には、この申告が多少なりに影響する場合があります。
Contents
準確定申告
故人様が亡くなった場合に、それまでの収入に対して申告が必要な場合には、相続人が代わりに故人様の確定申告をしなければなりません。
このような申告を準確定申告といい、
・申告義務がある場合には4ヶ月以内
・申告義務はないけど還付を受けたい場合には5年以内
に行う必要があります。
ちなみに、準確定申告しなければいけない方というのはかなり限られています。
なぜなら「年金収入400万円以下+その他の所得(もうけ)が20万円以下」であれば申告義務がないからです。ほとんどの方がこちらに該当します。
とはいえ、亡くなってどのような状況かを聞くことができない他人の申告なので、その把握だけでも大変です。早めに着手することにこしたことはありません。
相続税との関係
ところで、準確定申告は相続税の申告がある場合には注意が必要です。
納税が必要であれば、その納税額は債務控除として財産から減額することが可能です。
一方で、還付の場合には、その還付金は相続財産として取り扱わなければならないからです。還付で5年間有効であっても、早めに申告しておかないと、相続税の申告もれになってしまいます。
なお、亡くなった年の申告に対する住民税はかかりません。
住民税はその年の収入の税金は、翌年1月1日に生存している場合にかかります。すでに、お亡くなりになっていますので、住民税はありません。
なお、申告が必要な場合で期限を過ぎてしまうと、無申告加算税と延滞税がかかりますが、こちらは債務控除できません。
これは、故人様が原因でなく、期限内に申告できなかった相続人が原因だからです。
故人様が無申告だった場合
故人様が申告をしなければいけなかったのに、していないというケースも考えられます。
この場合には、相続人が代わりに申告する必要があります。
いつの分の申告をすべきかといえば、過去5年分+亡くなった年の、計6年分の申告が必要です。
これも、準確定申告という扱いで、相続人全員で申告を行う必要があります。
この場合の相続税の取扱いですが、以下のとおりです。
その申告に対する納税 | 相続税の債務控除として財産から減額可 |
その申告に対する還付金 | 相続財産として財産に計上 |
その申告に対する住民税の納税 (亡くなった年分以外は課税されます) |
相続税の債務控除として財産から減額可 |
申告していなかったことに対する 無申告加算税と延滞税 |
相続税の債務控除として財産から減額可 (故人様が原因なのでOK) |
この場合、状況もわからない中で最大6年分の申告を、準確定申告というやや特殊な取扱が必要になり、かなり苦労することになります。
資料集めから始めると、かなりの時間がかかります。この状況に気づいたら、早めに着手しておきましょう。
<昨日の出来事>
午前は書類の片付けをひたすら。ずいぶん散らかっていたものです。
午後は日用品の買い出しと、あとはオフ。
■広瀬純一のプロフィール
■単発相談 対面・オンライン相談 メール相談
■個人のお客様 税務顧問 個人の確定申告
■法人のお客様 税務顧問 年1決算プラン(法人様向け)
■相続税の申告・ご相談 相続税の申告 相続税の試算
■税務調査・無申告対応 税務調査対応 無申告対応