相続税対策をすると、税金が安くなりますが、場合によっては相続税が払えなくなるといった事態が生じる場合があります。
何事もバランスをうまくとっていく必要があります。
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納税は現金一括が原則
相続税の納税は、基本的には現金での一括納付が原則です。
延納制度や物納制度といったものは確かにありますが、この制度が使えるのは現金での一括納付が困難な場合に、最低限使えるものです。こちらの意に反して、税務署が認めてくれないケースもあります。申請自体もかなり面倒です。
ところで、相続税の納税資金は故人様の財産になるのが通常です。
かなりざっくり言ってしまえば、故人様の財産の〇%を相続税として納めてもらう、といった感じです。故人様の財産以上の納税額を求められるわけではないので、基本は払うことができるであろうというスタンスです。
ところで、相続税は決して安いものではないので、税金対策をしたいと考える方もいらっしゃるかと思いますが、思わぬ支障がある場合があります。
生前贈与
相続税対策の一番メジャーな方法として、生前贈与をして財産を少しずつ移していき、相続税を減らす方法です。
特に、令和6年から相続時精算課税制度のルールが変わって、基礎控除額の110万円以下の部分は、相続の時のさかのぼりの対象外となったため、これを利用して相続税対策をする方が少しは増えたのかなあと思います。
ところで、この場合には注意が必要です。
現金という財産を移してしまうと、故人様の財産の現金の比率が少なくなってしまい、相続税の納税資金がなくなってしまうからです。
また、金額や申告方法によっては贈与税がかからなくても、相続税があとで課税されるケースもあります。
そのため、相続税対策で生前贈与を受けるのであれば、相続税の納税資金のためにある程度はプールしておく必要があります。
現金→不動産に変える
相続税の対策のもう一つの方法で、現金を不動産に変えるという方法があります。
現金であれば残っている金額の100%評価ですが、不動産に変えれば60%程度に下がります(モノにもよりますが)。
生前にアパートを購入すると、相続税対策になるというのもそういったことです。
ちょっと極端な例ですが、現金1億円、相続人が2人の場合だと相続税は770万円です。
これが、現金0円、不動産6,000万円(1億円で購入)とすると、相続税は180万円に下がります。
一見よさそうに見えますが、現金を引継げないので、相続税の納税資金を相続人で用意する必要があります。
それに不動産に変えてしまうと、遺産分割しづらくなってしまったり、そもそも、相続人がアパート経営をしたいかどうか、あまりいいことはありません。
お金を借りてマンションを建てると相続税が安くなるとはどういうことか?
上記の例は、財産全額を不動産に投資して亡くなるという極端な例ですが、不動産に投資してしまうと、現金がなくなり、納税しづらくなるのは変わりありません。
相続税を減らすことだけでなく、納税資金の確保も考えておきましょう。
<大事なこと>
相続対策すると、相続税が安くなるのに、納税ができない事態になることもあります。
相続対策、税金対策、納税資金対策の3つをバランスよくやっておく必要があります。
<昨日の出来事>
青色申告会の相談員の最終日。
さすがに週2回だと、予定が圧迫してしまうのできつかったですね。
家だとサボってしまうので、それでよかったのかもしれませんが。
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