相続税の申告は、財産をもらった方が個々に行うのが原則ですが、実務上は全員共同でまとめて行うのが通常です。
ところが、相続人間で疎遠であるなどの理由から、別々に申告を行いたいとのご相談を受けることがありますが、それであっても、なるべく共同で申告することをおすすめしています。
別々に申告する場合には、あまりにもデメリットが大きいからです。

手間もお金がかかる
個々に相続税の申告をすれば、手間もお金もかかります。
実際に、申告対象者が何人増えようとも、申告自体の手間はそこまで変わりません。
相続人が2人いて別々に申告をしようとすれば、資料も2人分必要でその手間もお金もかかります。
仮に税理士に依頼した場合であっても、相続人2人のうち、申告がひとりだからと、料金が半分になることは一切ありません。
むしろ、ひとりでも、2人でも料金がさほど変わらないというのが通常です。
別々に税理士に依頼すれば、単純にその料金も2倍になります。
1人ずつでやるより、みんなでまとめてのほうが、明らかに効率的だったりします。
申告自体の食い違い
本来であれば、故人様の残した財産は同じなのだから、個々に申告したとしても財産総額も同じになるのが普通です。
とはいえ、同じにならないケースがほとんどです。
・財産を把握できない(資料が共有できないため)
・過去に贈与があった
・名義預金の取り扱い
・不動産の評価が違う
といったことから、同じにならないケースも確実に存在します。
また、小規模宅地の特例を使うにあたって、どれを使うか選択しなければならないときは、相続人間で同意が必要な場合があります。
この同意なく、適用してしまえば誤りということになってしまいます。
こういったことのないように、できることなら、相続人間で申告書のすり合わせをしておくべきなのですが、そのようなことをするのであれば、最初から一緒に申告しておけばいいのでは、となってしまいます。
ちなみに、仮に10人の税理士に依頼したとしても、10人同じ申告書にならないのが、相続税の申告の実情だったりします。
税務調査が入りやすい
先ほども書いたとおり、故人様の財産総額は必ず同じになるはずです。
それは、税務署としての見解も同じです。
それは何を意味するかといえば、同じ故人様の申告なのに、個々に内容も数字も違う申告書が提出されれば、どちらかが(あるいは全員が)申告内容が間違えていることを意味します。
そういったこともあり、税務調査になる可能性が圧倒的に高くなります。
税額が少なければ税務調査で必ず指摘されますし、税額が多ければ何も言われないものの、単純に損するだけです。
残念なことに、他の相続人から資料提供がなかったというような理由は認めてはくれません。
このようにデメリットを書きましたが、メリットはほぼありません。
色々な事情があるかと思いますが、なるべく申告だけは共同でやることをおすすめします。
<昨日の出来事>
午前は3月決算の申告書のチェック。
午後は自分のお金の計算、ランニング7km。
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