年末調整で渡す扶養控除申告書の役割

12月になると従業員(自分ひとりの会社の法人の社長も含む)の給料に対する年末調整をしなければなりません。

その際に提出してもらう、扶養控除申告書はどのようなものかまとめてみました。

扶養控除申告書

給料から天引きする所得税は、会社の勤務状況や扶養している家族の人数などによって決まります。この従業員の状況を確認し、国税庁が決めている源泉徴収税額表というもので、決められた金額を天引きしなければいけません。

この従業員の状況を確認するのは、口頭ではダメで、この扶養控除申告書というものを提出してもらう必要があります。この申告書をもとに、給与計算をするからです(本当は)。

そのため、この申告書は年末調整で翌年分の配布をしているケースがほとんどですが、従業員を雇った場合には、この書類も必ず記載してもらってください。

本来は、この申告書がないと乙欄という税金の天引き形態となり、天引きする金額が大きくなり、結果として従業員の手取り額が少なくなります。

令和8年からは、この申告書を提出していれば、給料が10.5万円までは所得税の天引き額はありませんが、提出がない場合には3.063%天引きする必要があります(10.5万円で3,216円)。

基本的には、すべての従業員が提出し、会社がその申告書を保管する義務があります。

たまに、確定申告するから年末調整はいらない、書類も出さなくていいですかという質問を受けますが、扶養控除申告書の提出だけは絶対です。

出さないと、翌年以降乙欄計算扱いとなってしまいますので、必ず提出してもらってください。

提出ができない人

年末調整で配布する書類のうち、扶養控除申告書だけは年末調整以外に給与計算のときにも使用します。そのため、基本従業員全員の提出が必要です。

ただし、例外があり提出できない人がいます。

それは、2か所以上から給料をもらっている方です。

・副業でどちらも給料(個人事業+給料はOK)
・会社を複数経営+どの会社からも給料をもらっている
といったなケースが該当します。

扶養控除申告書は、1か所にしか提出できないことになっています。

メインの職場があって、そちらに扶養控除申告書を提出している場合には、サブの職場では扶養控除申告書の提出はできず、給料も乙欄で計算する必要があります。

従業員採用時に、この職場がメインであるのかサブなのかをきちんと確認するとともに、

メインであれば、扶養控除申告書を提出してもらいます。

サブであれば、通常より税金を多く天引きする旨伝えておきましょう。

ちなみに、乙欄の方は年末調整できません。

乙欄の方

ところで、乙欄扱いになると税金がいつもより多く天引きされて、損するような感じになりますが、トータルでは納税額が同じになります。

どういうことかといえば、2か所以上から給料をもらっている場合には、基本的には確定申告が必須で(少額の場合例外あり)、そこで正しい数字を計算することになっているからです。

おそらく、確定申告が必要なのにしない方がいることが想定されていて、税金のとりっぱぐれがないように多めに引くように設定されているものと思われます。

多めに引かれている場合、確定申告で還付というケースもありますので、必ず行いましょう(納税でもやらなければいけませんが)。

<昨日の出来事>
午前は車の整備のため外出。
午後は自分の11月のまとめ、ランニング12km。

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