不動産を売却するときに、利益(売った値段−過去に買った値段−売ったときの経費)があれば、確定申告のときに申告と納税が必要になります。
ただし、その不動産が自宅である場合には、その利益が3,000万円までであればその利益はなかったものとしてくれるとともに、それを超えたとしてもある程度の段階までは低い税率が適用される(20.315%→14.21%)という特例があります。
ただし、要件が細かく、思わぬ落とし穴で特例が受けられないこともあります。

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自宅だった
この特例を使うときには、その不動産が自宅である必要があります。
とはいえ、売却直前まで住み続けることはムリなので、ある程度の猶予は用意されています。
それは、住まなくなってから3年後の年の12/31までに売却する必要があります。
例えば、令和7年11月15日に引っ越した場合、この特例を使うには令和10年12月31日までに売却が必要です。
気をつけたいのが、相続税の小規模宅地等の特例の自宅版とのルールの違いです。
高齢になり施設に入った場合の取り扱いが違います。
小規模宅地等の特例では、施設に入った場合でも自宅であったとみなされて期間に関係なく特例が使えます。ところが、不動産売却の3,000万円控除の場合にはNGで、3年ルールは適用されます。
お間違えの内容に気をつけましょう。
壊すタイミング
この3000万円控除のルールは、基本的には建物を売ることが前提で使えるルールです。土地だけの売却だと原則使うことができません。
ただし、実際には買主が欲しいのは土地だけで建物はいらないというケースのほうがほとんどです。
建物自体も老朽化していると防犯上・防災上のリスクもあるのに加えて、建物がない方が売れやすそうと考えて、取り壊しを考えることもあるでしょう。
しかし、この建物を壊すタイミングには注意が必要です。
建物がなくても、特別3000万円控除をつかうことができるのですが、建物を壊してから1年以内に売買契約を締結することが条件です。
建物自体が古い場合には、取り壊しのタイミングにも気をつけましょう(これプラス、上記の住まなくなってから3年の条件も必要です)。
住宅ローンとの関係
これは、住宅を買い替えるときに問題になることがあります。
このときに、3000万円控除と住宅ローン控除の併用はできません。どちらか一方の特例を使うと、もう片方の特例は3年間使用できないことになっているからです。
そのため、事前にどちらが有利になりそうか、あらかじめ考えて使うことが必要になります。
特に、最近不動産価格が上がっているため、売却益が出るケースも多く感じます。
どちらも、金額的にインパクトのある特例なので、買い替えの際には十分な試算をしておきましょう。
<昨日の出来事>
午前は新たな会社の法人決算の準備。
午後は税理士会。
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