相続税の申告をするのはだれ?

故人様の財産が、ボーダーライン(3,000万円+600万円×相続人の数)を超えていた場合には、相続税の申告が必要になります。

ところで、相続税の申告は故人様の代表者がおこなえばいいわけではありません。

原則的には、相続人が各々でする必要があるのです。

相続税の申告が必要な方

相続税の申告が必要な方は、故人様の財産がボーダーラインを上回っていることに加えて、相続or遺贈(遺言で財産をもらうこと)で、財産をもらった方ということになっています。

つまり、申告が必要なのは、財産をもらった相続人ということになります。

例えば、父Aが亡くなり、相続人は母B・子C・子Dの場合には、相続税の申告をしなければいけない方は、母B・子C・子Dです。

父Aの財産を相続人が共同で申告するわけではありません。

本来は、母B・子C・子Dがそれぞれ申告をする必要があるのです。申告が必要な方は、財産を持っていた故人様ではなく、財産をもらった相続人です。

ただし、共同で申告することが認められています。そのため、通常は相続人全員でまとめて申告することが通常です。

財産をもらっていない場合

原則論でいえば、相続で財産をもらった方が相続税の申告が必要になります。

つまり、故人様の財産がボーダーラインを上回っていても、その相続で財産をもらっていなければ、申告の必要はありません。

ただし注意も必要です。

・相続時精算課税制度を使って過去に贈与を受けた
・生命保険金を受け取った

ような場合には、相続税の申告・納税が必要になるケースもあります。

ただし、相続税のボーダーラインや生命保険の非課税の限度枠を計算するのに、相続で財産をもらっていない方の情報が必要です。

さきほど、相続人全員でまとめて申告するのが通常だと書きましたが、財産をもらっていない情報を記載する必要があるため、結局は財産をもらっていない方の分も0円で申告してしまうのが通常だったりします。

もめてしまっている場合

相続人間で争い事が起きてしまい、遺産分割がまとまらないケースというのもあります。

この場合でも、申告期限は10ヶ月と変わるわけではありません。

この場合には、やむなく別々に相続税の申告をする事が考えられますが、これはなるべく避けておくべきでしょう。

なぜかといえば、相続人によって故人様の財産の総額に違いが生じるケースがほとんどだからです。

全員で申告していれば、故人様の財産の総額はひとつです。

別々に申告していると、故人様の財産を把握できなかったり、相続税の財産の取り扱い方の違いによって、故人様の財産の金額が異なることが通常です。

結果として、税務調査のリスクが大きくなってしまいます。

また、別々の税理士に依頼すれば、そのコストもかかってしまいます。

いずれにせよ、メリットは全く無いので、せめて相続税の申告も共同でできるよう話し合いをしておくことをおすすめします。

<昨日の出来事>
午前はお客様と打ち合わせ。
午後はランニング8km。

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