金利は融資条件の一つにすぎません

融資を受けるうえで、金利は会社の損益を計算上では重要ですが、
金利ばかりに目が行ってしまうと、金利は低いものの、それ以外の条件が悪くなってしまうことがあります。

融資条件は何があるか

金融機関から融資を受ける際には、
・いくら借りるか
・何年で返すか
・金利は何%か
といったことに目が行きがちですが、融資条件は他にもあります。

・何に使うか(資金使途)
・信用保証協会付きかどうか
・担保の有無
・経営者保障の有無
・どのように借りるか(手形の割引、手形貸付、証書貸付、当座貸越)
といったことも、融資を受けるうえでは重要な項目ではあるのですが、

一旦、融資を受けてしまえば、
・お金がほとんど動かない
・試算表や決算書にも現れない
・そもそもわかりづらい
ことから、軽視されがちですが、いずれも重要な項目になってきます。

金利を下げれば、他の条件は悪くなる

金融機関から融資を受ける際の金利を決める要素は、
・きちんと返してくれるかどうか
・融資条件を守れなかったときに、融資したお金を回収できるかどうか
といったことがあります。

つまり、金融機関の融資したお金の回収可能性のリスクによって決まります。

金利だけで考えれば、決算書の内容がいい会社であれば、融資したお金をきちんと返してくれる可能性が高いので、金融機関の回収可能性のリスクが少ないことから、金利は低くなります。

逆に、決算書の内容が思わしくない会社であれば、融資したお金をきちんと返してくれる可能性が下がるので、金融機関の回収可能性のリスクが高まってしまい、金利は高くなってしまいます。

また、融資を受ける側にとっての支払利息は、金融機関からみれば売上高です。
金利を下げるということは、金融機関にとっては単なる値引きです。
金融機関であっても、そこは他の会社とは何一つ変わりません。

ただし無理な金利の引き下げを要求すれば、
・返済期間を短縮される
・信用保証協会付きの融資
・担保を求められる
・個人保証を求められる
などと、知らぬ間に他の条件が悪くなりがちです。

金利は、率(%)でなく金額で判断しましょう

融資を受ける際の契約書には、金利は%で書いてあることから、率で判断しがちですが、
電卓をたたいて金額で判断しましょう。

金利を受ける際に、1%と1.5%では大きく違うように感じますが、
3,000万円の融資を受けたとすれば、
1%であれば、年間30万円、月にすると25,000円
1.5%であれば、年間45万円、月にすると37,500円
差は、1か月で12,500円ほどです。

決して少ない額とは言いませんが、%で判断したときに比べるとインパクトはないと思います。

また、経営者保障を外したい場合や、プロパー融資を受けたい場合には、金融機関の回収可能性のリスクが高くなってしまうことから、金利は上昇しがちです。

そういった場合にも、利息を金額で計算したうえで判断してみて下さい。