小規模企業共済はどの程度税金がお得になるのか

小規模企業共済は節税にもなりお得だよとはいうけれど
どの程度有利になるのか、まとめてみました。

小規模企業共済は節税の第一歩

払い込み時の税金

毎月の掛金の金額と、所得税の税率による節税額は、おおむねこのような金額になります。
(税率は住民税10%は考慮してありますが、復興特別所得税は少額のため考慮していません。
税率20%であれば、所得税10% 住民税10%です。)

 

税率 20% 30% 33% 43%
月掛金\(所得) (195-330万) (330‐695万) (695‐900万) (900‐1,800万)
10,000 24,000 36,000 39,600 51,600
40,000 96,000 144,000 158,400 206,400
70,000 168,000 252,000 277,200 361,200

税率20%の方が毎月10,000円ずつ払っていれば、払っていない場合に比べて約24,000円安くなることになります。

ただし、税金が安くなるとはいっても、あくまで手元の現預金から支払うことが前提です。
税金が24,000円安くなるとはいえ、掛金を120,000円払わなくてはいけないので、
実質的には96,000円手元からなくなります。

そのため、掛金は手元資金に余裕がある必要があります。

なお、表にはありませんが、最高税率が55%(所得税45%・住民税10%)の方が毎月70,000円払っていれば、約46万円と払った金額の半分以上もの税金が安くなる計算です。

受取時の税金(一括受け取りの場合)

小規模企業共済掛金は、払ったときには税金が安くなりますが、受け取った時には税金がかかります。

ただし、
・事業をやめた場合
・65才以上で15年掛金を納付した場合
には、退職金扱いとなるため、税金がかなり優遇されます。

20年間小規模共済を払ったときに、すべて一時金(退職金)として受け取った場合に、かかる税金はおおむねこのようになります。
ただし、受け取るお金は、掛金総額より実際には多くなりますので、もらえるお金とその税金は若干変わります。

月掛金 掛金総額 税金
10,000 2,400,000 0
40,000 9,600,000 120,000
70,000 16,800,000 892,500

実際にどれくらい得することになるのか

小規模共済は、節税にはなるというけれど、どれくらい得になるのか。

(払った時の節税額)- (受け取った時に払った税金)+ (掛金の上乗せ額)

分が、得することになります。

税率が30%(所得税20%・住民税10%)の方が、毎年40,000円ずつ20年間払い込んだ場合には、

払ったときの節税額 14.4万円 × 20年 = 288万円
受取った時に払う税金             12万円

となり、税金だけでは、276万円ほど安く済みます(20年間で)。

それに加えて受取時には、払い込んだ掛金以上に戻ってくるので、その分もプラスになります。

ただし、任意解約の場合には、
・退職金の扱いにはならず、受取時に税金が高くなる(一時所得扱い)
・20年未満の解約は元本割れ
となり、逆に損をする場合もあります。