未支給年金の取扱い

故人様が年金を受給していた場合、まだもらっていないものがあれば条件が合えば遺族が受け取ることができます。未支給年金の取扱いについて、まとめてみました。

未支給年金とは

未支給年金とは、故人様にまだ支給されていなかった年金の事です。

国民年金であれば、偶数月の15日に前々月と前月分が支給されます(つまり後払いです)。

例えば、4/15に支給されるのは、2月分と3月分です。

4/5に亡くなったと仮定すると、4/15にもらうことができる2月分・3月分に加えて、
6/15に支給される4月分(亡くなった月まで支給されます)ももらっていないため、
3か月分の年金をもらっていなかったことになります。

そのため、もらっていない部分を遺族がもらうことができます。

ただし、必ずもらえるわけではなく、もらえる人が限られています。

もらえる人は、亡くなった人と生計を同じくしていた(基本的には一緒に住んでいた)人に限られ、
もらえる優先順位も、配偶者→子→・・・と決まっています。

該当すれば、故人様がもらえなかった年金を受け取ることができますが、該当者がいなければ(ひとり暮らしであったなど)未支給年金は誰ももらうことができません。

また、未支給年金は請求しないともらえないのでご注意を(5年以内)。

相続財産ではない

ところで、この未支給年金は相続財産ではありません。

もらえる人が限られているため、遺産分割の対象にはなりません。

相続放棄をしている場合でも、条件に該当すれば受け取ることができます。

相続税の課税対象になる財産でもありません。

相続税の財産に加算しないよう注意しましょう。
(故人様の未収入金とも考えられますが、取り扱いは違います)

所得税の対象

この未支給年金は、所得税の一時所得というものに該当し、確定申告が必要になる場合があります。

未支給年金をもらった場合の一時所得の計算方法は、

未支給年金の金額 - 50万円(経費はないため)

の2分の1が、所得税の対象になります。

ただし、未支給年金が50万円以下であれば、所得が0円になってしまうので確定申告自体必要ありません。

また、50万円以上であっても、未支給年金を加算しても所得税がかからないなどの場合にも確定申告は必要ありません。

<大事なこと>
未支給年金の税金の取扱いは、イメージと違うので注意しましょう。
(税理士試験の模擬試験でもひっかけで出題されたような…)